高機能暗号のハードウエア実装

暗号・復号やデジタル署名といった一般的な暗号に加え、機能性を有する暗号系として高機能暗号が注目を浴びている。例として、検索を暗号空間で実現する検索可能暗号、暗号に用いる鍵を陽に用いず利用者の属性に寄って自動生成することで鍵の漏洩に伴うセキュリティリスクを軽減する属性暗号、複数のデジタル署名を集約することで、署名の送信時間(バンド幅・送信電力)および検証時間を軽減することを可能とする集約署名等があげられるが、これらの高機能暗号はペアリング演算(双線形性演算)を基本としており、より大規模な計算が不可欠となっており、それがネックとなって幅広く活用されるに至っていない。本研究では、この高機能暗号を実現するための、基本演算であるペアリング演算を高速化することで、高機能暗号の可用性を高めることを目指した研究を行っている。さらに、それらを高機能暗号ソフトウエアにハードウエアアクセラレータとして組み込むことで高機能暗号としての性能の実証を目指した研究を行っている。同時にペアリングハードウエアの安全性に関しても、数学的、および実測を併用した実証も行っている。